事典エイト - 新興宗教への警告 - 第3章 カルト宗教の狂気

禁欲は力なり

 確かに科学は急速に進歩しましたが、まだまだ宗教の秘密を説き明かすまで には至っていません。ですから、それぞれの戒律がどのような科学的な意味を 持っているのか、宗派や教団によって戒律の細かな部分が大きく異なるのは何 故なのかについてお答えすることができません。それでも、精神異常をきたし てしまう少女たちについては私はひとつの仮説を持っています。それは、「彼 女たちはエネルギー不足にもかかわらずレベルの高い修行をしたのではないの か」というものです。ここで使用しているエネルギーという単語は現代物理学 での定義とは別のものです。生命エネルギーあるいは宗教的エネルギーとでも 言うべきもので、人によっては生命力と呼んだりしています。科学的には明ら かではありませんがこの生命エネルギーはどうやら新興宗教の教祖様の超能力 や気功師さんの治療能力の源泉になっているのではないかと思われます。です から、生命エネルギーをたくさん蓄えている人、あるいはすぐに補給できる人 ほど力のある超能力者、あるいは能力のある気功師と呼ばれているふしがあり ます。

 「生き物を殺すな」とか「姦淫するな」とか「酒を飲むな」という戒律は生 命エネルギーを浪費することを戒める戒律です。ですから大きな神通力を得よ うとする人はこの種の戒律を守らなければならないのです。しかしながら、最 近の新興宗教においては興味本位の人を集めることを目的としていることが多 くて、戒律を守るといった辛く苦しい部分はあまり教えないことが多いようで す。たとえ話しをしても通り一遍の話ですませてしまって、あとはできるだけ 修行をさせて実践の中で本当の信仰を獲得させようとするようです。しかし、 人によって持っている生命エネルギーの量にはかなりの違いがあるようですし、 少女もお年頃になると性的な関心も高まってきます。そして、戒律を無視して 酒を飲んだり淫乱に走ったりすると修行をするのに必要な最低限の生命エネル ギーすら不足して思わぬ障害を招いたりするのではないでしょうか。

 オーム真理教の狂信者たちは、末端の信者には断食と節制を強要していまし たが、教祖とそのとりまきの幹部たちは、贅沢な食事をし、セックスをし、子 どもまでも作っていました。それでも、彼らは信者の手前、いろいろな修行を してみせなければなりません。そんな状態の中で、教祖や幹部連中が一種の精 神錯乱に陥って、被害妄想から地下鉄サリン事件のような狂信的な行動に走っ ていったように思われます。

 現代社会においてはある意味で宗教は遠くのものになってしまっています。 それだけに一般の方々には本物と偽物の見分けがつきにくいと思います。また、 宗教と縁遠くなっているだけにかえって宗教の怖さについて警戒心がなくなっ ているようです。もし、皆さんが宗教的な生活に入られるのならば本物の師匠 を尋ね求めてください。そして、その師匠の指示に忠実に従ってください。そ れが自分自身を守ることになるのですから。

 厳しい戒律を守り、師匠の注意をよく聞いて修行していった結果として神通 力がついてしまった場合は、その神通力を存分に使用しても問題はないのでし ょうか。じつは、神通力とはある意味で修行の副産物であり修行の副作用とも いえるものなのです。そもそもユダヤ教やキリスト教、仏教といった世界的な 宗教においては神通力を得ることが目的ではありません。日々を幸せに過ごす こと、精神的に満ち足りた悟りの境地に達することが目的なのです。人の心の 中を見れるようになったとしても、必ずしも精神的な幸せを感じるとは限りま せん。あなたの大事な人の心の中を覗いたら、その冷たさにぞっとするかもし れませんし、未来の災害を見れるようになったら、将来のことが不安でしかた なくなるかもしれません。


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