事典エイト - 新興宗教への警告 - 第4章 未来予知の危うさ

誰にでも1日は24時間

 さて、苦労して時間も場所も特定できたとしましょう。これで、未来予知は 有用な情報源となったのです。しかし、ほんとうに実用になるのでしょうか。 私達にとって1日は24時間しかありません。この間に、仕事や食事、睡眠な どをとっており、余暇として未来予知をすることになります。

もっとも、プロ の「予言者」の方は仕事になるわけですが。でも、未来ははるかかなたまで広 がっていますし、空間的にも一度に見れるのは1か所だけです。限られた時間 のなかで未来予知をしても時空間上の1点の情景を見れるに過ぎません。さら に、得られた情報から時間と場所を特定するという作業も必要です。

 このように考えると、未来のすべての事件を予知することなど全く不可能で あることがわかります。相当にレベルの高い予知能力者でも生涯に予知できる のは未来のいろいろな事件のほんのわずかの部分にすぎないのです。

たとえば、 C国の大臣がA国とB国が戦争してA国が勝ったところを未来予知したとしま す。その大臣はC国はA国に荷担すべきだと主張するでしょう。そして、その 通りのことが起こればC国にとっては利益になります。しかしながら、その 10年後にB国は態勢を立て直してA国をやっつけてC国にも攻撃を仕掛けて きました。こうなると未来を予知したはずの大臣の運命は風前のともしびです。

 C国の大臣は何を間違ったのでしょうか。それは、彼が予知したものは未来 の1断面に過ぎないということを理解していなかったからです。未来予知に振 り回されずにA国とB国の国力を正確に把握していればB国の勝利を予想でき たかもしれません。太平洋戦争のときに真珠湾攻撃をした日本軍のように劣勢 の国ほど初戦の勝利を目指すものだからです。このように未来予知とは不正確 であったり断片的であったりするためにある意味で非常に危険なものでもある のです。


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