失敗しやすい山野草の夏越し
山野草は、もともと涼しい山の木陰や高い山のお花畑などに生育する植物です。 ですから、真夏の都会の暑さは大の苦手とする植物が多いです。 ここでは、山野草の夏越しの裏技について解説いたします。山野草の夏の置き場
普通、山野草は棚に置いて管理されていると思いますが、夏場にできるだけ涼しくすることが夏越しの鍵になります。 まず、寒冷紗で日よけするのですが、日当たりの良い場合は、2枚重ねにしたり、遮光率の高いものを使うようにしてください。 それでも、まだ日差しが強すぎる場合は、上から、よしずをかけたり、太陽の方向によしずを立てかけたりすると効果的です。 スペースが足りないときは2段にされると思いますが、上段に水やりした水が、下段の植物に当たると非常に危険です。 そこで、上段の棚と下段の植物の間に波板などを使って水よけを作って、下の段の植物に水が直接、当たらないようにします。 基本的に、暑さに弱い植物を下段に置くわけですから、下段の植物は特別扱いするようにします。水やりは日が暮れてから
真夏の山野草には、夜温を下げるために、毎日、日が暮れてから水やりしてください。 夜に水やりすると徒長しやすくなりますが、山野草は真夏は生長しないので大丈夫です。 また、山野草は湿度を好む植物が多いので、水切れさせないように、毎日、水やりします。 谷間や水辺の植物の場合は、人工的にミストを発生させると、気温の上昇を抑えるとともに、空中湿度が保持できます。鉢を工夫する
毎年、どうしても夏越しに失敗する場合は、鉢を普通の山野草鉢ではなくて、乾きやすい素焼き鉢にしたり、水冷鉢や二重鉢にする方法もあります。 たとえば、外側を大きめの素焼き鉢にして、２つの鉢の間に清潔なバーミキュライトなどを入れ、そこにも水やりします。 その水が蒸発するときに気化熱を奪って内側の鉢土の温度を下げることができます。 ミストもそうですが、水を使う夏越し法は、蒸し暑いのが嫌いな高山植物には逆効果になることがあるので、注意してください。肥料はあげない
真夏には肥料を施さないでください。 プロは秋に花が咲くイトラッキョウなどの種類には、1週間に1回、薄い液体肥料を施しますが、水分が蒸発して肥料が濃くなりすぎることがあるので注意してください。 9月になって少し涼しくなってから、薄い液体肥料から徐々に与えていけば良いでしょう。病虫害に注意
真夏は病虫害が発生しやすく、一度発生すると、致命傷になりやすいので注意してください。 まず、予防には通風を良くして、できるだけ涼しくすること、種類によっては梅雨のうちに殺菌剤を散布すると良いでしょう。 毎日、よく見回って、害虫を見つけた場合は捕殺します。 ハダニや病気が１つの葉だけの場合は、その葉を根元から切り取ってください。 ハダニや病気が蔓延している場合は、別の場所に移して被害のある葉を根元から切り取り、殺菌剤や殺ダニ剤を散布して、涼しい室内などで管理します。最後の手段
最後の手段として、真夏だけエアコンの効いた室内で管理する方法があります。 この場合の注意点としては、外出時も夜間も冷房を切らないこと、エアコンの風が直接当たる場所に置かないこと、植物生育用の蛍光灯などで補光することです。 山野草の中には日陰の方が好きな植物もあるので、植物によっては上手に管理すると1年中、室内で管理できる種類もあります。関連コンテンツ
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