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香港株式市場の急落

今年の春頃からタイバーツをはじめ、東南アジア諸国の通貨が暴落している。 その影響で香港ドルも売られてきた。 香港の通貨当局は香港ドルを防衛するために高金利政策をとって、 香港ドルを売る投機筋に対して毅然とした態度を表わした。 しかし、市場は中国に変換後の香港の将来に不安を感じており、 ついに10月23日に香港株式市場は急落した。

その後、いくぶん値を戻したが、週明けの27日、 先週の香港市場やニューヨーク株式市場での売りを見た日本の投資家が東京株式市場で売りに出たのをきっかけに、 香港株式市場も再び値を下げた。 それがさらに東京市場を下げて、東京市場の終値は今年の最安値を更新した。 それを受けたニューヨーク株式市場ではブラックマンディー時を超える株価の下げ幅を記録し、 二度にわたって市場取り引き停止処置がとられた。

ニューヨーク市場での急落は各国の株式市場の動揺を誘い、 カナダ、中南米、ニュージーランド、オーストラリア、東京、大阪、香港、 ロンドンなど世界中の各株式市場では軒並み4%を超える株価の下げを記録した。 28日のニューヨーク市場で株価は急反発したため、 「世界恐慌」という最悪のシナリオは回避されたが、これをきっかけに世界経済が縮小傾向に向かうのは間違いない。

確かに、アメリカ経済は依然好調を持続しており、 アメリカの財政赤字も大きく改善された。 しかし、7年にもおよび好景気は誰が見ても加熱気味で、 余剰資金が株式投資に向かっていることが、株価上昇の原因である。 しかし、今、金利を上げれば株価が暴落することは明らかだから、 アメリカの金融当局は実質上、打つ手がなくなっている。

その一方、日本はバブル崩壊後、経済のみならず政治や社会の混乱が続いており、 世界経済を下支えする力はもはやない。 アジアの金融センターだった香港は中国に返還され、 その中国は香港ドルや香港の株式市場を防衛する気も、その実力もないことが今回の暴落劇で明らかになった。 タイをはじめとする東南アジア諸国は通貨不安、 株価下落に加えてインドネシアでの森林火災まで発生して、今や試練の時を迎えている。 通貨統合を目前に控えたヨーロッパ諸国も、財政出動のような景気梃入れ策を実施できるような状況ではない。


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そして、この世界的な景気後退によって一番打撃を受けると思われるのがロシアと中国である。 ロシアは一時の経済困難から立ち直りつつあるが、 まだまだ完全に市場経済が浸透しているわけではない。 地方では依然として共産党勢力が強く、自由経済を妨害しており、中央でも政争が絶えない。 この時期の世界的な景気後退は回復しつつあるロシア経済を直撃し、 ロシア国内での経済混乱、そして政治抗争へ発展する可能性が高い。 民主主義体制が確立していないロシアでは、 政治抗争が武力抗争へ陥る危険性を常にはらんでいるのだ。 そのような状況を打開するには強力な武力を持った専制君主的な人物が必要だ。

中国のおかれた立場はもう少しましではある。 経済は好調だし、江沢民体制も外部から見る限りではしっかりしている。 しかし、今回の香港株式市場の急落で、香港市場に上場して資金を調達するという中国企業の目算は大きく狂ってしまった。 さらに、東南アジアの経済不振が続くことが決定的になったため、 日本や韓国企業がバブル崩壊で苦しんでいる間隙をついて, 東南アジア市場に進出しようとしたこれらの中国企業は戦略の立て直しを迫られるだろう。

東南アジアの華僑たちも東南アジアの通貨不安に対する支援をするどころか、 自国領となった香港の通貨や株式市場すら防衛できない中国政府に対して、 不信の念を募らせている。おそらく彼らは団結してこの難局を克服するだろうが、 徐々に共産主義中国打倒の試みを始めるだろう。 一方で、広州や上海の企業経営者たちはより完全な形での自由経済体制を模索することになろう。 また、人権問題などでアメリカは必要に中国を揺さぶって来るだろう。

江沢民国家主席の訪米中に起こった今回の株価急落は、 日米間の離反と中米間の接近を狙った江沢民戦略にとって取り返しのつかない痛手となった。 日米欧さらに華僑にまで見放された中国がパートナーとして組めるのは、 中国以上に苦しい立場のロシアしかない。中ロ軍事同盟が成立し、 それに対してアメリカを始めとする多国籍軍が対峙する.....

1世紀の間に3回も世界大戦をすれば後世の歴史家に笑い者にされるだろう。 そうならないように、今からいろいろな手を打っておかなければならない。 そうしないと、日本列島が第3次世界大戦の主戦場になってしまうのだ。


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